Web会議のシステムには何を使えばいい?
Web会議システムとは、Web会議を行うためのITツールのことです。大きく分けて、次の3つがあります。
オンプレミス型(サーバー型)
自社のネットワーク内に構築した専用サーバーにアクセスするものです。導入費は高いものの、月額費用はかからず、機能のカスタマイズもある程度可能です。セキュリティ面での安全性が高く、会議の品質も良好です。
クラウド型(ASP型)
ベンダー(サービス提供業者)が管理するサーバーにインターネット経由でアクセスして利用します。無料で利用できる製品が多く、有料でも導入費は数万~10万円程度と安いですが、月額の利用料金がかかります。会議の品質にはインターネット回線の混雑などが影響することもあり、セキュリティ面はベンダー任せとなります。
ブラウザ型
ベンダーのサーバーを共用しますが、ソフトウェアのインストールは不要です。ベンダーのWebサイトにアクセスしてWeb会議を開催するか、共有されたURLをクリックするだけでWeb会議に参加できます。無料版もありますが、有料の専用製品かビジネスチャットに付属しているものが多く、月額の利用料金がかかります。 セキュリティ面では、データの送受信にセキュアなプロトコルを使用している「WebRTC」という技術を利用しているため、SSL化していれば問題ないとされています。
Web会議システムにはどんなものがあるの?
気軽に無料で試せる、クラウド型とブラウザ型の会議システムの一例を、ご紹介します。
主なWeb会議システムと特長
Zoom
アメリカを中心に利用され、日本でも利用者が増えているクラウド型のWeb会議システムです。アカウントを作成することで、無料で利用できるプランがあります。
無料のベーシックプランの場合で、1対1の通話は無制限、3人以上で行う場合は、1回につき最大40分間で100人まで参加が可能です。
便利機能...画面共有、チャット機能など
Skype
マイクロソフトが提供するサービスで、無料で通話やチャットができます。基本はクラウド型ですが、アプリをインストールせずに、ブラウザから一時利用することもできるようになりました。ビデオ通話は1回最大24時間、自分の他に最大99人を招待できます。
便利機能...通話レコーディング、リアルタイム字幕機能など
Microsoft Teams
Skypeと同様に、マイクロソフトが提供するビジネスチャットツールで、クラウド型です。Microsoft Teamsを利用していない外部ユーザーもゲストとして参加可能です。有料ブランは最大300人の参加が可能で、レコーディング機能があり、Web会議の開催回数や時間の長さに制限はありません。無料プランは1回の会議時間が 60 分までになります。
便利機能...ライブ文字起こし(トランスクリプション)など
Google Meet
Googleアカウントを取得していれば、誰でも無料で利用できます。Web会議への参加のみであれば、Googleアカウントは不要です。ブラウザ型で有料版と無料版があります。無料版は、同時接続拠点数が最大100、1回のWeb会議接続時間は60分までですが、回数は無制限です。
便利機能...画面共有、背景変更やぼかしなど
選び方のポイント
同時接続の拠点数
いくつの会議を並行して行い、どれだけの拠点(アカウント)を同時に接続する必要があるのかを確認したうえで、選びましょう。
複数拠点での同時発言が可能か
無料トライアルなどで3拠点以上のWeb会議を実施して、同時に発言した時に複数の拠点の音声が聞こえるか、聞き分けられるかを確認しましょう。
セキュリティ対策
セキュリティが高い順番は、1.オンプレミス型、2.有料のブラウザ型・クラウド型、3.無料のブラウザ型・クラウド型、となります。
セキュリティ面を考えるのであれば、自社のサーバー内にシステムを構築するオンプレミス型が一番でしょう。無料のWeb会議システムは、手軽に利用でき、不特定多数の利用者がいる分だけ、リスクもあると考えた方がよいでしょう。
ここまでお伝えした点に注意して、なるべくシンプルで、誰でも簡単に使いこなせるWeb会議システムを選びましょう。
有料のWeb会議システムを導入する場合は、必ず無料トライアルなどを利用して実際に試用してみましょう。音声の品質の確認もできます。
Web会議の内容によっては、わざわざ有料版を導入しなくても、無料版で十分に対応できる場合もあります。実際に行う会議のタイプによって、上手に使い分けるのもいいでしょう。