いま特に注目されているオフィス形態の1つにアジャイルオフィスがあります。このコラムでは新しい働き方に適したアジャイルオフィスの特徴やメリットについてご紹介します。
アジャイルオフィスとは
アジャイルとは「素早い」「機敏な」という意味で、ソフトウェア開発の現場において使われている言葉です。「最初に完璧な計画を立てるより、まずつくって試し改善していく」という考え方のことです。
アジャイルオフィスとはこの考え方をオフィスに応用したもので、固定席や仕切りがなく社員が自由に働き方を選べるオフィスです。
フリーアドレスやABWと似ていますが、それらをさらに発展させたものがアジャイルオフィスです。最初にオフィスの形を決めたら終わりではなく、その後も社員が意見を出し合いながら、レイアウトや設備を柔軟に変えていくことのできる自由度の高いオフィスです。
アジャイルオフィスの特徴
アジャイルオフィスの多くはフリーアドレス制を採用し、社員がその日の業務内容に合わせて働く場所やスタイルを自由に選べます。将来的に必要な変化に対応するため、家具や壁をできるだけ固定せず可変性を持たせてオフィスが設計されています。
集中作業が必要な時に使用できる個室型のワークブースや、パーテーションで仕切られた休憩スペースを設けているところもあります。
社員間のコミュニケーションを重視し、社員の意見を取り入れて常に進化していくところがアジャイルオフィスの特徴です。
アジャイルオフィスが注目されている理由
近年、企業を取り巻く環境は、グローバル化やIT化、働き方の多様化によりめまぐるしく変化しています。こうした状況のなか、これまでの限定的なオフィスのあり方では対応が難しくなってきました。
そこで社員が自由に働く場所やスタイルを選べ、臨機応変に家具や設備のレイアウトを素早く変更できるアジャイルオフィスが多くの企業から注目されています。
アジャイルオフィスのメリット
アジャイルオフィスを導入する主なメリットは次の通りです。
〇コストの削減になる
オフィスに必要な機能が変わると、その都度レイアウトの変更や家具の入れ替えが必要で、多大な労力とコストが発生します。その点、アジャイルオフィスでは共有スペースやフリーアドレスを活用しているので、ニーズの変化に応じて柔軟に素早くレイアウトの変更ができ、コストも労力も大幅に削減できます。
〇コミュニケーションが活発になる
アジャイルオフィスでは固定席を設けていない場合が多く、その日の業務内容に応じて座席を選んだり、状況に応じてレイアウトを変更したりできます。他部署の社員と接する機会も自ずと増えるため、コミュニケーションが活発になります。新しいアイデアや課題解決のヒントが見つかりチームワークの向上にもつながります。
〇組織の変化に柔軟に対応できる
アジャイルオフィスを導入することで、組織の改編や社員数の増減、部署の移動があっても柔軟に対応できます。時間をかけてリフォームし家具を移動させる必要がなく、迅速にレイアウトを変えられるので業務が滞る懸念もありません。
アジャイルオフィスに適した家具
アジャイルオフィスの特徴をひと言で表すと「可変性」です。可変性を確保するためには可変性のある家具であることが重要です。
デスクや椅子は高さを変えられることはもちろん、連結したりパーツを交換したりすることで形やデザインを変えられるものが適しています。また、重たい家具はキャスター付きで転がして移動できるものが便利です。
使用しない時は折りたたんだり、積み重ねたりして収納できるものもよいでしょう。
アジャイルオフィスをつくる際には、まず目的を明確にし予算を検討しましょう。そしてアジャイルオフィスに最適な家具を導入し、社会変化に柔軟に対応できるオフィスの実現を目指してください。