1.未曽有の変化に直面した「学生ファースト」の理念
1949年の設立以来学生一人ひとりの個性を尊重し、社会の発展に貢献する人材を育成してきた成蹊大学 。その教育理念の中核をなすのが「学生ファースト」という揺るぎない姿勢です。キャリア支援センターでは、個別相談から各種イベントの運営に至るまで常に学生にとって最善の環境を追求し、きめ細やかなサポートを実践してきました 。
しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大は、その「学生ファースト」の理念を新たな形で試すこととなりました。企業の採用活動が対面からオンラインへと急速に移行したのです。各種調査によれば現在では半数以上の学生がWeb面接を経験し、ほとんどの企業がオンラインと対面を組み合わせたハイブリッド選考を導入するなど、オンライン面接はもはや特殊な選考方法ではなく、採用活動のスタンダードとなっています 。この変化は、大学のキャリア支援のあり方に根本的な変革を迫るものでした。

2. 学生の熱意に、キャンパスインフラが追い付けない現実
変化に対応すべく、成蹊大学キャリア支援センターはオンライン面接用の個室ブースを3台レンタルしました。しかし、オンラインでの就職活動が常態化するにつれ、ブースの利用ニーズは当初の想定をはるかに超えて急増。3台のブースは慢性的に予約で埋まるようになりました 。
キャリア支援センターの担当者は、当時の状況をこう振り返ります。「人の出入りがある空き教室で、必死に面接を受けている学生の姿を頻繁に目にしました。彼らの将来を左右する重要な局面で、周囲の雑音や視線を気にしなければならない状況は見過ごすことができませんでした。学生に集中できる環境を提供する必要性を痛感しました」。
この問題は、同大学が掲げる「学生ファースト」の理念そのものに対する重大な挑戦でした。学生の誰もが最高のパフォーマンスを発揮できる公平な環境を、いかにして迅速に構築するか。それがキャリア支援センターに課せられた喫緊の課題となったのです。
3.未来を見据えたキャンパスのための戦略的選択
課題解決のため、同センターは8台の個室ブース増設という決断に踏み切りました 。
複数の製品を比較検討する中で単なる個室ブースとしてではなく、変化し続ける未来の教育環境に対応するための投資として日東工業株式会社の「プライベートボックス®」の導入が決定されました。
専用のオンライン予約システムと組み合わせたことで、 学生は24時間いつでもブースの空き状況を確認し、予約やキャンセル手続きを終えられるようになりました。これにより、キャリア支援センターの職員は予約管理の仕事から解放され、キャリア相談といった、より学生一人ひとりへ寄り添える仕事に集中できるようになったのです。
実際に一人になれる空間(プライベートボックス®)と、時間や場所を選ばずにアクセスできる予約の仕組み。この二つがスムーズに結びついたことで、学生にとっては使いやすく、大学にとっては管理しやすい、新しいキャリア支援の仕組みが生まれました。
4. 学業と就職活動の両立を実現
プライベートボックス®が導入され、 就職活動が最も盛んな時期には予約率が常に90%を超えるほど、多くの学生の希望に応えています。
利用者からは「授業の合間の短い時間でも気軽に予約できるようになった」「静かな環境で、自信を持って面接に臨めた」といった声が多数寄せられました。これは、勉強と就職活動を両立させたいという、今の学生が持つ大きな悩みに対する、直接的な解決策になったことを示しています。
キャリア支援センターの担当者は、この成果を次のようにまとめています。「学生の声に真剣に耳を傾け、それを形にした今回のプロジェクトは、私たちが掲げる『学生第一』という考え方を形にしたものそのものです。学生が安心して就職活動に取り組める環境を整えることが、結果として大学のイメージアップにもつながっていると確信しています」。
工事が不要な柔軟さ、堅剛性が高く、長く使える資産としての価値。そして学生の成功を直接サポートする機能性。「プライベートボックス®」は、これからの大学が「学生第一」を実践し、社会の変化に対応していくための力強い解決策と一助となれるでしょう。

