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COLUMN

コラム

2024年9月11日

EVバッテリーの寿命は?

EVのバッテリーの寿命は、何年ぐらいあるのでしょうか?

EVを購入する際、気になるポイントの一つであるバッテリーの寿命について、バッテリーそのものの基本的な知識とともにお伝えします。

EVバッテリーの種類

EVには、走行するための「駆動用バッテリー」と、オーディオなどの電装品を動かすための「補機用バッテリー」の2種類が搭載されています。

駆動用バッテリーに使われているのは、ほとんどが「リチウムイオン電池」です。補機用バッテリーには「鉛蓄電池」が使われているのが一般的です。

 

EVバッテリーの容量

EVに搭載されている駆動用バッテリーの容量(総電力量)は、「kWh」(キロワットアワー)という単位で表されます。

kWhは、充電できる電力の容量を表し、エンジン車でいうところの燃料タンクの容量L(リッター)にあたると言えば、わかりやすいかもしれません。

現在、日本で販売されているEVのバッテリーの容量は、20kWh~100kWhを超えるものまで、幅広くあります。

 

EVバッテリーの仕組み

駆動用バッテリーによく使われるリチウムイオン電池は、正極と負極の間をリチウムイオンが移動することで、電気を出し入れします。

補機用バッテリーによく使われる鉛蓄電池は、鉛の正極と負極の間を電子が行き来することで、電気を出し入れします。いずれも定められた範囲の電圧の上限に達すると「満充電」となり、下限まで低下すると「バッテリー上がり」や「電欠」の状態となります。

駆動用、補機用、どちらのバッテリーが電欠しても、走行できなくなってしまいます。安全のための余地が設けられ、メーターの電池残量が「0%」になっても急に止まることはありませんが、余地分を使い切ると全く動かなくなります。

続いては、駆動用バッテリー(リチウムイオン電池)についてです。

4-2バッテリー

EVバッテリーの劣化とは?

バッテリーの性能状態を示す指標には、どのくらい充電されているかを示す「SOC」(State of Charge)と、新品時に比べて満充電でどの程度の容量があるかを示す「SOH」(State of Health)があり、どちらも%で表します。

徐々に蓄電できる容量が減り、SOHの値が低下していくことが、バッテリーの「劣化」です。

 

バッテリーが劣化する原因

走行距離以外にバッテリーが劣化する原因には、次のようなことが挙げられます。

〇充放電の繰り返し

リチウムイオン電池は充放電を繰り返すことによって、電極材が剥離して反応量が低下し、バッテリー容量が低下します。

〇高温環境

リチウムイオン電池は、60℃以下の使用では劣化が起きにくいですが、60℃以上の高温になると、内部で過剰な反応が起き、バッテリーの劣化を進めてしまいます。

〇過放電や過充電

EVのバッテリーは、過放電(使用しない間も放電する自己放電という現象が起き、充電がなくなっても放電し続けること)や、過充電(満充電後も充電し続けること)も、劣化の原因になります。

 

EVバッテリーの寿命

バッテリーの寿命は一般的に、SOH(容量)が70%を切ったときと言われています。走行の仕方や充電方法によって異なるため一概には言えませんが、目安としては、年数で5年~8年程度、走行距離で5万km~10万km程度、になります。

多くの自動車メーカーにはバッテリー保証制度があります。例えば「8年以内」「走行距離16万km以内」など、一定の期間・走行距離内でバッテリー容量が70%を切った場合に、修理や交換をしてもらえます。

EVのバッテリーに使われるリチウムイオン電池はとても高価なため、劣化して自分で交換しなければならなくなると、高額な負担になります。しかし、バッテリーの寿命は、走行の仕方や保管の方法に注意することで延ばすことができます。また、短期間で劣化することが不安な場合には、メーカーの保証制度を利用すれば安心です。

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