次の車を買い替え時には、EV車にしたい…。
そう思っていても、「マンション住まいだし、駐車場にEV充電器がないから不便」と躊躇している方も多いのではないでしょうか。実は集合住宅にも、EV充電器を設置する際に補助金が利用できます。
このコラムでは、集合住宅でも申請できる充電インフラの補助金についてお伝えします。
EV充電インフラ補助金について
日本政府はカーボンニュートラルの実現に向けたCO2を排出しないEV車の普及促進へ、EV車の購入や充電に必要な設備の導入に、補助金を用意しています。
EV充電器を設置するための補助金は「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」です。2024年度は、昨年度の175億円から倍増の360億円の予算が組まれました。
集合住宅のEV充電器にも補助金が受けられる理由
2035年までに新車販売の100%をEVにすることを日本政府が目指す一方で、現状の販売比率は欧米諸国に比べてかなり低くなっています。EV車の普及には、同時にEV充電器の設置も進めて行く必要があります。EV車を購入しやすくするために、住居にEV充電器の設置を広めることが必要です。そのため集合住宅に対しても補助金制度があります。
集合住宅にEV充電器を導入するメリット
すでにEVに乗る人や、これから乗りたいと思う人にとって、EV充電器が設置されているかどうかは、住居選びの重要なポイントになります。集合住宅にもEV充電器が設置されていれば、入居希望者の幅が広がり、不動産としての資産価値が上がることも期待できます。
集合住宅のEV充電インフラ補助金
EV充電器の導入費用は数十万円~数百万円と高額ですが、補助金を利用すれば設置のハードルは下がります。
集合住宅の場合、該当するのは普通充電器です。2024年度の補助率は上限額がありますが、充電設備費が50%、工事費が最大100%となっています。例えば、ケーブル付充電設備を1基導入する場合、充電設備費が30万円、工事費が100万円で合計130万円ですが、補助金を利用すれば15万円で導入が可能になります。
補助金を使ってEV充電器を設置する流れ
まずオンラインで補助金の交付申請をします。審査後、交付決定通知を受領したら、設置工事を開始し、次に実績報告の申請をします。約1ヵ月半~2ヵ月ほどの実績審査後に、補助金の交付が受けられます。
申請に必要なものは、申請者の本人確認書類や、充電設備本体の購入と設置工事にかかる見積書、設置場所・配線・電気系統などの図面、集合住宅であることを証明する書類などです。
■詳しくは「一般社団法人次世代自動車振興センター」のホームページをご確認ください。
集合住宅のEV充電インフラ補助金申請に必要な要件
集合住宅でEV充電インフラの補助金を申請するには、下記の要件をすべて満たす必要があります。
1 充電設備がケーブルの場合、充電口数は収容台数の10%以下かつ10口以下、コンセントの場合、収容台数以下かつ20口以下であること
2 充電設備の受電元は、共有部の配電盤・分電盤などとは別引き込みであること
3 設置する充電設備は、普通充電設備、充電用コンセントおよび充電用コンセントスタンドであること
4 集合住宅の所有者が、自らの駐車場に設置することを目的としている申請ではないこと
※その他、補助金交付前に設置する充電設備は対象外などの注意点があります。詳しくは「一般社団法人次世代自動車振興センター」のホームページでご確認ください。
2024年度のEV充電インフラ補助金の申請期間は終了し、2025年度に予算が組まれるかどうかは未定です。しかし、東京都では2025年度から新築のマンションにEV充電器の設置が条例で義務付けられ、他県でも同様の流れとなる可能性があります。既築でEV充電器のない集合住宅のオーナーの方などは、次年度の補助金情報をチェックして、申請が可能な場合はぜひ利用して導入されてはいかがでしょうか。