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2024年7月29日

個室ブースの火災予防のための法令や申請方法

集中して仕事ができるスペースを確保するため、個室ブースの導入を検討するところが増えています。しかし、フルクローズ型を選ぶ場合は、万一の火災に備えての注意が必要です。

このコラムでは、個室ブースに関する消防法や火災予防条例の内容について、また、設置の際に必要となる申請についてお伝えします。

消防法とは

消防法とは、火災の予防や火災が発生したときの被害を最小にするための法律です。面積を問わず個室には消防設備の設置が義務づけられています。消防法に定められている点検を実施しなかったり、虚偽の報告をしたりすると罰金が科されます。

火災予防条例とは

消防法は国が定めた法律であるのに対して、火災予防条例とは、地方自治体が定める火災予防に関する条例のことです。火災発生の恐れがある設備や器具などの管理や取り扱いのほか、火災時の避難や防火管理などについて定められていますが、詳細は各自治体によって異なります。

個室ブースに関わる消防法

フルクローズ型の個室ブースは、消防法で居室とみなされるため、消防設備やスピーカーの設置が義務付けられています。ただし、設置が免除される特例があります。

個室ブースの特例免除の要件

以下の要件を満たしている個室ブースの場合は、消防設備やスピーカーの設置が免除されます。

  • ブースの床面積が6㎡以下であること(※2023年3月に3㎡から改定)
  • ブースの天井及び壁が不燃材料で仕上げられていること
  • ブース内に住宅用下方放出型自動消火装置が設置されていること
  • ブース内の住宅用下方放出型自動消火装置がパッケージ型自動消火設備Ⅱ型の基準に沿って点検され、適切に維持管理されていること
  • ブース内に易燃性の可燃物が存在しないこと
  • ブース内の音圧が65デシベル以上となること

特例申請が可能かどうかの判断

個室ブースの設置場所が高層階または地下の場合と、それ以外の場合でもフロアにスプリンクラーが設置されている場合は、特例申請ができます。特例の対象外の場合は、自動火災報知器の後付けが必要です。

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特例申請の方法

オフィスに設置する個室ブースの特例を受けるには、管轄の消防署に申請をします。申請方法は、各自治体により異なりますが、主に下記のような書類を提出する必要があります。

  • 消防用設備等特例承認申請書
  • 建物の所在が確認できる地図
  • ブースを設置する階層の平面図
  • ブースを設置する建物屋根面との距離を把握できる図面
  • ブースを設置する階層のスプリンクラー設備
  • 自動火災報知設備や放送設備等の位置が把握できる図面
  • ブースの図面
  • ブース施工物品の法的証明書(消火装置仕様書等)

これらの書類提出後に内容が判断され、承認された場合に個室ブースへの消防用設備の設置が免除されます。支障があると判断された場合は、自治体から確認や指導が行われる場合があります。

特例申請ができない場合

特例申請の対象でない場合は、自動火災報知器の後付けを検討します。管轄の消防署に個室ブースの図面を持参して、自動火災報知設備の後付けを相談します。そのうえで取り付け業者に火災報知器の施工を依頼し、ブースの納品後に施工をしてもらいます。

メーカーによっては、特例申請モデルと自動火災報知機後付けモデル、それぞれの個室ブースを提供しているところや、消防法に準拠した申請をサポートしてくれるところもあります。自社のオフィスのタイプに適した商品を提供しているメーカーを選びましょう。

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