職場で受けるストレスにはいろいろありますが、中でも座席配置に起因するストレスは少なくありません。このコラムでは特に職場の座席配置に焦点を当て、ストレスを感じる座席配置やその改善策についてお伝えします。
職場の座席配置によるストレスとは
座席配置によっては、次のようなケースでストレスを感じると言われています。
〇集中力を保てない
座席の近隣が騒がしい、周りの電話や会話が気になる、通路に近く人通りが多い、といったことが原因で集中力を保てない時にストレスを感じます。
〇作業効率が悪い
上司やプロジェクトチームのメンバーと座席が離れていて、コミュニケーションが取りにくく作業効率が悪い場合にストレスを感じます。
〇落ち着かない
オープンスペースでプライバシーが守られない、隣の座席との距離が近くてパーソナルスペースがないなどが原因で落ち着かない時にストレスを感じます。
〇快適性に欠ける
窓際の座席では季節や天候によって日差しや気温の変化が激しく、快適性の調整が難しく仕事に支障が出る場合にストレスを感じます。
ストレスを感じがちな座席配置の例
〇フリーアドレス制
オフィスのスペースを効率的に活用できるという点で人気のフリーアドレス制ですが、オープンなスペースのため周囲の視線や会話が気になって集中できない、落ち着かない、といった面からストレスを感じやすい座席形態です。
また固定席ではないため、同じ部署やチームのメンバーと会話が少なく、関係性を築きにくいということもストレスの要因になります。
〇島型配置
島型配置は、部署やチームごとに机を向かい合わせに並べて、端に上司やリーダーが座る昔ながらの配置です。コミュニケーションは取りやすいものの、向かい合わせの人と目が合いやすく、上司からの視線も気になり、常に見られているような緊張感からストレスを感じがちです。
座席配置によるストレスを軽減するには
座席配置が原因で起きるストレスを減らすためのポイントをお伝えします。
〇業務内容に合う座席配置
業務内容を考慮して座席配置を決めることが大切です。管理部門など機密情報を扱う部署では、フリーアドレス制よりも固定席の方が業務を円滑に行えます。外出や打ち合わせの多い営業職などはフリーアドレス制の方が効率的です。
〇上司やリーダーの座席配置
上司やリーダーの座席は、チームのメンバーとコミュニケーションを取りやすい距離でありながら、監視されているという圧迫感のない配置であることがポイントです。ワークスペースの中心に上司やリーダーの座席を配置し、その周辺に適度な距離を置いてチームメンバーの座席を配置するのがおすすめです。
〇ゆとりのある座席配置
近隣の座席との距離は近すぎると落ち着きません。できれば1m以上、スペースに余裕があるなら2m~3mほど離れた配置であればリラックスして作業に取り組めます。
座席配置によるストレスの改善策
〇パーテーションや個室ブースの活用
パーテーションを設置することで周囲の視線を遮り、集中しやすい環境をつくることができます。Web会議などをする際は、さらに周囲の視線や音を気にせずに行える個室型のワークブースの設置もおすすめです。
〇休憩スペースやミーティングスペースの設置
業務内容を考慮して決めた座席配置でもストレスの軽減が難しい場合もあります。そこで、ホッと一息つける休憩スペースがあると社員のストレスの発散の場になります。
またフリーアドレス制の場合にはミーティングスペースがあるとメンバーが集まって活発な意見交換ができ、社員同士のコミュニケーション不足を補えます。
職場環境が社員に与える影響は重要ですが、特に座席配置を工夫することでストレスの軽減に努めることは社員の健康を維持し、チームワークや生産性を向上するために不可欠と言えるでしょう。