リモートワークが増え、出社して仕事をする社員が減った企業も多いでしょう。また、オフィスの空いているスペースを有効活用するために、フリーアドレス制の導入を検討するケースも増えています。
今回のコラムでは、フリーアドレス化を成功に導くために必要な事前準備や運用ルールについて解説します。
フリーアドレス制を導入するメリット
フリーアドレス制とは、自席が固定されておらず、その日ごとに自由に席を選んで働けるオフィスのスタイルです。席が固定されていないことで、オフィススペースの有効活用、社員間のコミュニケーションの活性化、業務の効率化など、さまざまなメリットが期待できます。
フリーアドレス制のデメリット
フリーアドレス制の導入には、デメリットや課題もあります。固定席ではないため、私物の置き場所に困る、誰がどこに座っているのかわからず電話や来客の取次時に困る、などのデメリットがあります。業務や職種によっては、フリーアドレス制が適さない場合もあるため、導入にあたっては十分な検討が必要です。
フリーアドレス化に必要なこと
せっかくコストをかけてフリーアドレス化に踏み切るのであれば、成功させたいものです。そのためには、事前に準備をし、運用ルールを作成しておく必要があります。
1.フリーアドレス化に必要な事前準備
レイアウトの検討
職種や業務に対応したレイアウトを検討しておきましょう。ノートパソコンやタブレットで業務ができる企画職や、会議や外出の多い営業職は、フリーアドレスに向いています。一方で、機密事項を多く扱う人事部などの事務職や、長時間座ったままの作業の多いクリエイター職などは、固定席の方が向いています。職種によって固定席のエリアとフリーアドレスのエリアを分ける、部署ごとのグループ単位でのフリーアドレス化、といった方法もあります。
書類のペーパーレス化
フリーアドレス化により固定席でなくなると、紙の書類の保管や利用が難しくなり、紛失のリスクも出てきます。書類をデータ化して共有フォルダに入れておくことで、場所を問わず閲覧できるようになります。また、保管場所や紙代のコストカットにもなります。フリーアドレス制の導入に向けて、オフィスのペーパーレス化を進めておきましょう。
2.フリーアドレス化に必要な運用ルール
収納方法のルール
フリーアドレスのデスクに適した収納スペースを確保し、社員にとって使い勝手のよい収納のルールを決めておきましょう。例えば、各自の私物を収納できる個人ロッカーを用意する、共有の書類や備品は共用ロッカーに入れておく、といった方法です。
取次方法のルール
電話や郵便物の取次のルールを決めておきましょう。フリーアドレスでは、毎日社員の席が変わるため、電話や来客時の取次が難しい面があります。対応策としては、例えば位置情報システムなどを活用することで、誰がどの席にいるのかが把握できます。郵便物は、郵便受け付きの個人ロッカーに入れる、部署ごとの郵便共有ボックスに入れる、などの方法があります。
飲食時のルール
お互いが気持ちよく業務に集中できるように、飲食時のルールについても作成しておきましょう。フリーアドレス制では自由に席を選べる反面、周囲への配慮が求められます。集中して業務を行う人が多いスペースでは「ドリンクのみOK、食事は不可」とする、「時間を限定して、飲食OK」にするなど、ルールを明確にしておきましょう。
フリーアドレス制の導入には、事前に準備をしっかりとして、社員にも導入の目的や運用ルールをきちんと伝えることが大切です。そうすることで、導入後はスムーズに、フリーアドレス制によるさまざまなメリットを享受できるでしょう。