オフィスの移転や、新たにオフィス家具を購入した際に、気をつけなければならないのが、家具が入るかどうかということです。特に大型の家具の場合、運搬経路の確保は必須です。いざ搬入の時になって「入らない!」と困ることのないように、事前にしっかりと確認しておきましょう。
オフィス家具のサイズを確認する
まずは、移動や購入を予定しているオフィス家具の、最大梱包サイズをチェックします。ポイントは、梱包された状態の「一番長い辺」と「一番短い辺」の2点です。一番長い辺が、搬入経路の最も長い辺を、一番短い辺が、搬入経路の最も短い辺を、それぞれ下回っていれば、基本的に搬入は可能だと判断できます。
搬入経路のチェックポイント
次に、実際の搬入経路を確認します。家具を運び込むオフィスがある建物の、玄関から部屋までの経路を計測します。搬入経路を「入口と通路、エレベーター、階段」に分けてチェックポイントをご説明します。
1.入口と通路
通路が直線の場合
入口と通路の幅が、オフィス家具が梱包された状態の「一番短い辺+10cm」程度あれば、搬入可能です。
通路が直角に曲がる場合
「最初の通路幅の二乗+次の通路幅の二乗」が、運ぶ家具の長辺の二乗より長ければ、搬入できます。(「最初の通路幅2+次の道路幅2」>「運ぶ家具の長辺2」=搬入可能)天井の高さが家具梱包サイズの一番長い対角線よりも高く、通路幅が家具梱包サイズの一番短い辺よりも広い場合は、家具を立てて搬入できます。
2.エレベーター
エレベーターでの搬入は通常、家具を立てた状態で行います。エレベーターの扉の幅と高さ、エレベーター内の奥行を確認します。扉の幅が家具の一番短い辺よりも広く、エレベーター内の高さが家具の一番長い対角線よりも高く、奥行きが家具の二番目に短い辺よりも広ければ、搬入可能です。
3.階段
商品を横にして運ぶ場合
曲がり角のある通路と同様です。「最初の階段幅の二乗+次の階段幅の二乗」が、家具の一番短い辺より広ければ、搬入できます。
商品を縦に立てて運ぶ場合
踊り場の高さが家具の一番長い対角線を上回り、階段の幅が家具の一番短い辺よりも広ければ、搬入可能です。
その他のチェックポイント
- 階段に手すりがついている場合は、手すりから計測しましょう。
- ドアノブや郵便受けが邪魔になることもあります。必ず有効実寸を計測しましょう。
- 梱包の向きを変えられない狭い通路の曲がり角の場合、曲がるまでは奥行だった辺が、曲がった後は幅に変わります。幅と高さだけでなく、奥行きのサイズにも注意が必要です。
近隣への気遣いも忘れずに
他の企業も多く入居するビルの賃貸オフィスの場合や、一つしかないエレベーターや階段で搬入する場合は、搬入のタイミングや時間を考慮する必要があります。家具の大きさや量によっては、近隣オフィスや建物の管理者への声掛けや、破損を防ぐための養生も必要です。オフィス家具の専門業者に依頼すると、搬入の下見や養生も任せられるので安心です。
オフィス家具は搬入を考慮して選ぶ
大型のオフィス家具を運ぶ際の搬入経路は、ぎりぎり目一杯ではなく、幅にゆとりのある方が安心です。もし高さが足りなくても、梱包を解いたり、斜めにしたりして運ぶことで、搬入可能な場合もあります。例えば、ソファであれば背もたれを倒したり、脚を取り外したりすることで搬入できる場合もあります。また、組立式の家具という選択肢もあります。現地で組み立てができるものであれば、大きいものでもコンパクトになり、楽に搬入できます。
大型のオフィス家具選びは、搬入する際のことを考慮して、サイズや経路のチェックが大切です。搬入時に心配のない組立式の家具を、あらかじめ選んでおくこともおすすめです。