あなたのオフィスに、BGMは流れていますか?仕事をするための空間であるオフィスにBGMを流すのは、どのような目的があるのでしょうか。
今回のテーマは、オフィスBGMです。その効果と導入する際に気をつけたい点についてまとめました。
オフィスBGMの効果
オフィスBGMは、作業効率や生産性の向上を目的として導入されています。主な効果に次の3点があげられます。
1.リラックス効果
音楽には、癒し効果があることが科学的にも実証されています。音楽を聴くとアルファ波やセロトニンの分泌が促され、精神を安定させる働きがあると言われています。オフィスにゆったりしたBGMが流れていると、仕事中の緊張状態によるストレスが緩和され、リラックスできる効果があります。
2.マスキング効果
オフィスの音には、電話の話し声、書類をめくる音、パソコンのキーボードを叩く音などがあります。BGMが流れていることで、こうした雑音が気にならなくなるマスキング効果があります。 この効果によって、集中力が高まり、作業効率がアップするという研究結果があります。
3.タイムマネジメント効果
オフィスBGMは、流す内容を変えることで、タイムマネジメントに役立ちます。例えば、始業時や終業時のBGMにいつも決まった曲が使われることで、仕事モードのオンとオフの切り替えが促されます。休憩時間にはリラックスできる音楽で、一斉清掃時はアップテンポのやる気が出る音楽を流すなど、BGMで仕事のメリハリをつけられます。
オフィスBGM導入時の注意点
さまざまな効果のあるオフィスBGMですが、導入する際には次の3点に注意しましょう。
1.著作権
ほとんどの音楽には著作権があります。日本音楽著作権協会(JASRAC)では、BGM使用時に著作権使用料を定めています。例えば「従業員を主とした利用の場合」は、許諾の手続きは不要ですが、「来客が多数の場合」や「オフィスを店舗としても利用している場合」には許諾申請が必要です。著作権に違反すると、法人の場合は3億円以下の罰金を科せられますので事前に調べておきましょう。
著作権フリーの音楽や著作権が消滅しているクラシックなど、またテレビやラジオの放送をそのまま流す場合は、問題ありません。
2.音量
快適な音量には個人差があるので調整は難しいところですが、大きすぎる音量は、音楽に気を取られ、かえって作業効率を低下させます。特にボーカルが入っている曲やアップテンポの曲は耳に入りやすい傾向があるので、過度な音量にならないように注意が必要です。
3.選曲
選曲も重要です。オフィスBGMには、クラシックやジャズ、インストゥルメンタルなど、自然と聞き流しやすい音楽が適しています。また、川のせせらぎや波の音などの自然環境音も人気があります。時間帯や場所によって流す曲は変える必要があります。昼食後の眠くなる時間帯にゆったりした曲が流れていると眠気を誘われますから、明るい軽快な曲調の方がいいかもしれません。エントランスならクラシックを流しておくことで、企業のイメージを上品に演出してくれます。
また、長期間同じBGMでは、飽きてしまい、さまざまな効果も半減してしまいます。例えば3か月ごとなど、選曲は定期的に見直しましょう。そして、同じ人の選曲ではどうしても偏りが出ます。実際に流す曲を決める時は、アンケートを取るなど社員の意見も反映されるようにするといいでしょう。
オフィスBGMの導入には、ラジオを流す、インターネットの無料のサービスを利用する、有線放送を契約する、オフィス専用のBGM配信サービスを利用するなど、いろいろな選択肢があります。注意点を抑えて、オフィスBGMを上手に取り入れてください。