快適で働きやすいオフィスにするために、内装やレイアウトを工夫するのはもちろんのことですが、忘れてはいけない重要なポイントが照明です。
この回では、オフィスの照明がなぜ重要なのか、また、どのような照明を選べばよいか、についてご紹介します。
オフィスの照明はなぜ重要か
オフィスには、作業内容に適した明るさが必要です。適度な照明が使われていればよいですが、例えば、暗すぎると見えづらく、逆に明るすぎてもまぶしく、どちらの場合でも目が疲れてしまいます。眼精疲労から肩こりや片頭痛を引き起こし、それが心理的にもストレスとなり作業効率も悪くなります。つまり、照明は生産性の向上にも大きく関わってくるのです。
オフィスの照明はどう選ぶ?
オフィス空間の雰囲気や作業効率を左右する照明は、その選択がとても重要です。最適な選び方のポイントをご説明します。
照明器具を決める
主な照明器具には、次のようなものがあります。
「シーリングライト」=天井に設置。フロア全体を照らすので均一な明るさが得られる。
⇒メイン照明として取り入れられることが多く、長時間作業を行う執務室に向く。
「ダウンライト」=天井に埋め込む形で設置。照明器具が目立ちにくい。
⇒エントランスや廊下、トイレなどによく使われる。
「ペンダントライト」=天井からコードやチェーンで吊るす。存在感がありデザイン性が高い。
⇒空間にアクセントをつけたいときやデザイン性を求めたいときに選ばれる。
「スポットライト」=特定の部分を照らすように、光を当てる向きを変えられる。
⇒展示物を照らすなど空間を演出したいときに適している。
「スタンドライト」=床に置くフロアースタンドと、机に置くテーブルスタンドがある。
⇒移動できる置き型で補助照明として利便性が高い。
光の色を決める
照明の光の色合いは、温かみのあるオレンジ色の電球色、太陽光に似た自然な色の昼白色、白っぽく青みがかった色の昼光色があります。電球色の明るさは控えめで落ち着いた印象になるので、リラックスしたい空間に適しています。昼白色はナチュラルな明るさで、どのような室内にも適します。昼光色は最も明るく、集中したい作業を行う部屋に適しています。取り付ける場所に適した色合いを選びましょう。
光の強さを決める
光の強さはJIS(日本産業標準調査会)の「照明基準総則」で、オフィスの空間に応じた照明要件を定めています。例えば、執務室や事務室は750ルクス、会議室は500ルクス、休憩室は100ルクスとなっています。ルクスは、1平方メートルの広さをどれぐらい明るく照らせるかを表す単位です。一般的なオフィスであれば、750ルクスの照明でよいでしょう。
オフィス照明を選ぶ際の注意点
最後は、照明を選ぶ際に注意しておきたいポイントについてです。
電球はLEDにする
電球には白熱電球と蛍光灯、LEDの3種類がありますが、オフィスに使う照明はLED電球を選ぶことをおすすめします。設置・交換時にはやや割高ですが、消費電力が少なく、寿命も長いので、長期的にはコスト削減につながります。
配線器具や内装に配慮する
照明器具の種類によって、使える配線器具は決まっています。せっかく選んだ照明器具が、いざ設置する段になってオフィスの配線器具に合わず「しまった!」とならないように、事前に確認しておきましょう。
また、照明が悪目立ちしてしまい仕事に集中しにくいことがないように、内装に合うデザインなど、オフィス全体と雰囲気を合わせた照明を選びましょう。
調光・調色機能付きの照明器具を選ぶ
明るさの感じ方は、人によって違う場合もあります。必要に応じて明るさを調整できる、調光・調色機能付きの照明器具にすれば安心です。オフィスの壁に合わせた色合いや、使う人の好みの照度に柔軟に変更が可能です。
照明一つで、オフィス空間の雰囲気はガラリと一変します。オフィスのレイアウトや用途を考慮して最適な照明を選び、社員のストレスを減らし、生産性のアップを図りましょう。