会議室の防音対策は万全ですか?
会議中なのに、外部の物音がうるさくて気になる、ということはありませんか?逆に、会議室の中の声が外の部屋に聞こえていたら、情報漏洩のリスクもあります。
職場環境の向上という意味でも、特に会議室の音漏れ対策は重要です。
音漏れの原因を探る
まずは、音漏れの原因を見てみましょう。音の伝わり方は2種類あり、主な原因もこの二つに分けて考えられます。
1.空気伝播音
空気を伝わってくる音で、話し声や楽器の音などがこれにあたります。
空気伝播音が伝わる原因は、主に隙間です。扉や窓に隙間がありませんか?また、パーテーションなど可動式の仕切りを使用している場合も隙間ができやすく、音漏れの原因となります。
2.固体伝播音
壁や床などを伝わってくる音で、壁を叩く音や上階の足音などがこれにあたります。
固体伝播音が伝わる原因は、振動です。振動や衝撃音は、床や壁、天井などを通して伝わります。鉄筋コンクリートのマンションでも、よく下の階への物音で、騒音トラブルになる例があります。
防音対策の目標値
遮音階級には、D値(Dr値)と呼ばれる指標があります。D値が大きいほど遮音性に優れていることを表します。例えば、ピアノの音の場合では、D-15では大変うるさく聞こえ、D-65では通常聞こえません。その間では、D-35でよく聞こえる、D-50で小さく聞こえる、D-60でほとんど聞こえない、となります。会議室の場合、D-50~D-60の値を目標にするとよいでしょう。
会議室の音漏れ対策3選
それでは、音漏れ問題の具体的な対策をお伝えします。
1.隙間を空けない
できるだけ隙間をなくし、機密性を高くします。会議室の壁にパーテーションを使う場合でも、天井との間に欄間のないタイプにすることで、隙間ができず、防音性が上がります。空間が完全に区切られるため、換気や空調が気になる場合は、欄間が開閉できるものを選ぶと便利です。
また、窓には複層ガラス(2枚以上のガラス)を採用することで、遮音性が格段に上がります。これから新しくオフィスを施工する場合などは、壁にもこの複層ガラスを採用することで、遮音性を確保できるうえで、ガラスで透けて見えるため密閉された閉塞感もなく、おすすめです。
2.吸音性の高い素材を使う
壁は、コンクリートなど高密度の素材の方が、遮音性が高くなります。音漏れしてしまう低密度の壁の場合は、パーテーションを足すことで防音対策ができます。グラスウールやロックウールなどの吸音性の高い素材のパーテーションを選びましょう。
床は、フローリングよりも吸音性の高いカーペットにしましょう。タイルカーペットタイプなら、区画のサイズに合わせて敷き方を簡単に変えられるので便利です。
床、壁、天井にグラスウールやロックウールなどの吸音素材を貼るのも有効です。
3.BGMを流す
スピーカーと音源があれば、すぐに導入可能な方法です。ヒーリングミュージックなどをBGMとして流すことで、会話など聞こえてほしくない音を遮ります。静かな空間だと聞こえやすい声も、BGMがあると聞こえにくくなります。
また最近では、聞かれたくない会話に、ある周波数の音を重ねることで、声は聞こえるけれど内容はわからない、という状況をつくる装置があります。さまざまなサウンドマスキングの装置が普及しているので、検討してみるのもよいでしょう。
会議室の音漏れ問題の原因と対策をご紹介してきました。音漏れの原因別に最適な対策を施して、より快適なオフィス空間を目指してください。