~アンカー? スタビライザー? 予算と場所で決まる足元の守り方~
システムラックの地震対策は、「ラック本体の性能(揺れ方)」と「足元の固定方法(施工)」の2つを組み合わせて考えます。
今回は、カタログだけでは分かりにくい「コスト感(部材費+工事費)」の違いにも触れながら、地震対策の基礎を解説します。
1. まずは本体選び! 3つの「シン」の違い
予算と守りたい重要度(サーバを止めてはいけないレベル)によって、選ぶべきラックの構造が変わります。
① 耐震(たいしん):揺れに「耐える」
ラックを太い骨組みや金具で補強し、倒壊を防ぐ方法です。
• 特長: 最も一般的で安価。ただし、地面の揺れが直接機器に伝わるため、中のサーバへの衝撃は大きくなります。

★日東工業のおすすめ製品
・FSシリーズ スタンダードタイプ(品名記号:FS):兵庫県南部地震波(818gal)で300kg搭載に対応するNWラック。
•FSシリーズ 耐震タイプ(品名記号:FST): 兵庫県南部地震波(818gal)で500kg搭載に対応する高剛性ラック。
・サーバ収納タイプ(品名記号:FSS):兵庫県南部地震波(818gal)で300kg搭載に対応するサーバラック
・サーバ収納耐震タイプ(品名記号:FSST):兵庫県南部地震波(818gal)で700kg搭載に対応するサーバラック
② 制震(せいしん):揺れを「吸収する」
ラックのフレームに「ダンパー(特殊なゴム)」を組み込み、地震エネルギーを熱に変えて吸収する方法です。
• 特長: 内蔵のダンパーが振動エネルギーを吸収し、内部の揺れを最大約50%低減します。免震のような広い可動スペースが不要で、通常のラックと同じ感覚で導入できるため、コストと性能のバランスに優れています。

★日東工業のおすすめ製品
• FSシリーズ 制震ラック・ガルテクト(品名記号:FSG): 業界初の「2重フレーム制震構造」。小さな揺れから大きな揺れまで、効率よく減衰効果を発揮します。
③ 免震(めんしん):揺れを「伝えない」
ラックの下に「免震台」を敷き、地面と切り離す方法です。
• 特長: 揺れを劇的に減らせますが、装置が動くためのスペースが必要で、導入コストも非常に高額になります。

2. 足元はどうする? 固定方法と「コスト」の秘密
ここが今回の重要ポイントです。「床にどう固定するか」で、部材の値段も工事の手間も大きく変わります。 (価格感は日東工業のカタログ標準価格を参考にした目安です)
① アンカー固定(コンクリート床)
コンクリートの床に「アンカーボルト」を打ち込み、専用のベース(土台)を使って固定する方法です。最も強固です。
• コスト感: 【部材:安 / 工事:高】
◦ 部材の「アンカー固定用ベース(品名記号:RDTB)」は約2万円~と比較的安価です。 しかし、専門業者によるアンカー打ち込み工事(床への穴あけ)が必要なため、施工費がかかります。
• 注意: テナントビルなどでは「床に穴を開けてはいけない」場合があり、その時は使えません。
★日東工業のおすすめ製品
• ベース(アンカー固定用) 品名記号:RDTB: ラック本体と分割納入できるため、先行してアンカー工事だけ済ませることが可能です。

② フリーアクセスフロア(OAフロア)への固定
オフィスの床が二重床になっている場合、床下のコンクリートから専用の架台(基台)を立ち上げて固定します。
• コスト感: 【ピンキリ】
◦ 標準タイプ(品名記号:RDK-FS): 高さ固定のシンプルな架台。価格はサイズによって変わり、2万円~。

◦ レベル調整タイプ(品名記号:RDK-FSA): 床の凸凹に合わせて水平調整ができる高機能タイプ。施工が楽になります。約4万円~。

★日東工業のおすすめ製品
• フリーアクセスフロア用基台(品名記号:RDKシリーズ): ウィスカ対策(金属のヒゲ状結晶によるショート防止)に対応したメッキ処理が施されています。
③ スタビライザー(転倒防止板)
「床に穴を開けられない」「レイアウト変更が多い」という場合に使う、ラックの足元から張り出す「転倒防止用の板」です。(品名記号:[RD731-K] 転倒防止板)
• コスト感: 【部材:高 / 工事:無】
◦ ただの板に見えますが、約3.7万円~(キャスター付は約4.9万円~) と、実はアンカーベースよりも部材代は高いです。
◦ しかし、設置工事が不要(置くだけ)なので、トータルの導入コストや手間は抑えられます。
• 注意: あくまで簡易的な転倒防止策であり、激しい地震に対してはアンカー固定ほどの強度は期待できません。
3.まとめ:コストと安全のバランスを提案しよう
• 「とにかく安く、頑丈に固定したい(穴あけOK)」
• 「床に穴は開けられないけど、倒れないようにしたい」
• 「予算はある。中のサーバを確実に守りたい」
お客様の予算、建物の条件、守りたい機器のレベルに合わせて、最適な組み合わせを選んでください。
4.究極の地震対策、制震ラック「ガルテクトFSG」を選ぶべき理由
ここまで読んで「結局どれがいいの?」と思った方も多いのではないでしょうか。そこで、予算・性能・施工性のバランスがとれた、弊社の「制震ラックガルテクト(品名記号:FSG)」をおすすめさせてください。

[品名記号:FSG] 制震ラック・ガルテクト(W=700)
[品名記号:FSG] 制震ラック・ガルテクト(W=800)
Point1.ビルの揺れも吸収する特殊高減衰ゴム
ガルテクトには、六本木ヒルズや横浜ランドマークタワーといった超高層ビルで採用されている制震技術、特殊高減衰ゴムが地震の揺れを熱エネルギーに変えて吸収。
ラック内の揺れを最大約50%も低減します。

Point2.「耐震ラック」との決定的な違い
耐震ラックは「頑丈」ですが、地面の揺れをそのままサーバに伝えてしまいます。
人間で例えるなら、「シートベルトだけでガッチリ固定された車」に乗っているようなものです。車に加わった衝撃は中の人間にそのまま伝わる為、衝撃の大きさによっては致命的なダメージを受けることになります。
一方の制震ラック・ガルテクト(品名記号:FSG)は、高級車のサスペンションのように揺れを「いなす」ため、精密機器への負担を最小限に抑えます。

ガルテクトの効果が一目で分かる、耐震試験はこちら!

通常、劇的な揺れ軽減を狙うなら「免震台」が必要ですが、これには巨大なスペースと多額の費用が必要です。制震ラック・ガルテクト(品名記号:FSG)なら、下記を実現できます。
• 省スペース: 免震台に比べ最大約50%のスペースを削減でき、既存のラックと同じ感覚で設置できます。
• 上層階に強い: 建物は上の階ほど揺れが大きくなりますが、ガルテクトはビルの上層階や高層ビルへの設置でその真価を発揮します。 低層階から上層階まで場所を選ばず設置可能な点もメリットの一つです。
• メンテナンスフリー: 設置後、制震ダンパーの定期メンテナンスは不要です。
Point3. 震度6弱でも「止まらなかった」信頼の実績
2011年の東日本大震災の際、仙台市内のサーバルームに導入されていたガルテクトは、震度6弱の激震を吸収し、サーバの安定稼働を継続させたという確かな実績があります。

・仙台市若林区で震度6弱の揺れも吸収し、サーバの安定稼働を継続。
(T社様 サーバルーム)
・千葉県のデータセンターでは「耐震設計」+「制震ラック」で
震度5弱にも障害発生せず。(O社様 データセンター)
Point4.3軸同時加振による地震波再現試験
制震ラック・ガルテクト(品名記号:FSG)は弊社による20回にも及ぶ繰返しの耐震試験を行った場合でも、制震効果に変化はありませんでした。(搭載質量300kgにて実施)

不測の事態に備えることは、お客様のビジネスと信頼を守ることに直結します。今回の内容を参考に、それぞれの現場に最適な「データの守り方」を見つけていただければ幸いです。
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[品名記号:FSG] 制震ラック・ガルテクト(W=700)
[品名記号:FSG] 制震ラック・ガルテクト(W=800)
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※本コラムは日東工業の技術資料・ご注意事項を基に構成しています。
実際の条件は、会社や注文時の契約内容、商品、地域によって異なる場合がありますので、必ず販売店や営業担当者にご確認ください。