「光接続箱」をサクッと攻略! インフラを守る“縁の下の力持ち
現場の壁面や、キャビネットの中に設置されている「光接続箱」。当たり前のように扱っているけれど、「正直、中で何が行われているのかよく分からない…」と思っていませんか?
一見地味なこの箱、実は私たちのインターネットや通信を守る「シェルター」のような存在なんです。今回は、光接続箱の基礎知識を、分かりやすく噛み砕いてご紹介します。
そもそも「光接続箱」ってなに?
一言でいうと、「繊細な光ファイバを守るための頑丈なシェルター」です。
LANケーブル(銅線)は多少曲げても大丈夫ですが、光ファイバの中身は「ガラス」です。とても繊細で折れやすく、汚れにも弱い。だからむき出しのまま繋ぐことはできません。
接続した部分を外の衝撃やホコリから守り、余ったケーブル(余長)を綺麗にしまっておくための専用ケース。それが光接続箱です。
現場では「PD盤」や「成端箱(せいたんばこ)」なんて呼ばれることもあります。名前が違っても役割は同じ。「光ファイバの接続部分を守る箱」と覚えておけばOKです!
日東工業のユニット型光接続箱はこちら

■SPU-SA4-SC-S1、SPM-SA4-SCは日東工業株式会社がつけている製品の品名記号です。
「光接続箱」はどこで使われる?
光接続箱は、主に屋内で使用されますが、一部屋外(軒下など)で使用できるタイプもあります。 具体的な設置場所は以下を参考にしてください。

光ファイバの形態
光ファイバ心線
光ファイバは、その表面にキズがあると外部応力によって破断に至ります。そのため、傷の防止・側圧などに対する機械的な保護用として一次被覆を行っています。一次被覆段階の光ファイバは光ファイバ素線と呼ばれ、この上に二次被覆を施したものを光ファイバ心線と呼んでいます。

光ファイバ心線と、光コード、光ケーブルの違い
実は、光ファイバはその「守られ方(被覆の厚さ)」によって呼び名が変わります。
1. 光ファイバ心線(しんせん)
• 見た目: 直径0.9mmくらいの、とても細いカラフルな線。
• 特徴: ガラスの繊維(素線)に、薄いナイロンなどの保護膜(被覆)を被せただけの状態です。
• 強さ: 弱いです。手で強く引っ張ったり、急に曲げると折れてしまいます。
• 使われる場所: 主に「光接続箱の中」や「トレイの中」。外敵のいない安全な箱の中で、そっと収納される時にこの姿になります。
◦ ※1本だけの「単心線」と、きしめんのように数本束ねた「テープ心線」があります。

2. 光コード
• 見た目: 直径2mm~3mmくらいの、少し太めの線(黄色や青色のケーブルよく見ますよね?)。
• 特徴: 「心線」の周りに、「抗張力繊維(ケブラーなど)」という防弾チョッキにも使われる丈夫な繊維を巻きつけ、さらにPVC(ビニール)で覆ったものです。
• 強さ: 心線よりずっと強いです。引っ張っても中のガラスに力が伝わりにくい構造になっています。
• 使われる場所: 「ラックの中」や「機器同士の接続(パッチコード)」。人が触ったり動かしたりする場所では、この「コード」の状態を使います。

3. 光ケーブル
• 見た目: 直径10mm以上あるような、太くて黒い(または灰色の)束。
• 特徴: 沢山の「心線」や「コード」をひとまとめにし、中心に「テンションメンバ(鉄線やFRP)」という骨組みを入れて、分厚い被覆でガッチリ固めたものです。
• 強さ: 最強です。風雨や紫外線、ネズミや鳥などの外敵から中の繊細なガラスを守り抜きます。テンションメンバのおかげで、強く引っ張っても伸びません。
• 使われる場所: 「屋外」や「建物間」「配管の中」。

現場で「心線を出して!」と言われたら、「あ、箱の中で作業するんだな」。「ケーブルを引いて!」と言われたら、「外から引っ張ってくる太いやつだな」とイメージできれば完璧です!
光ファイバはどれだけ曲げてもいい?
光ファイバには許容曲げ半径があり、許容曲げ半径以上に曲げてしまうと伝送損失が発生します。一般的な光ファイバの許容曲げ半径は 15mm(R15) です。許容曲げ半径が30mm(R30) の光ファイバもあります。

「心(しん)」ってなに?
「4心(しん)」とか「テープ心線」と言っているのを聞いたことがありませんか? これは、「光ファイバの本数」のことです。
単心(たんしん)
素麺(そうめん)のように、1本ずつバラバラになっているタイプ。

テープ心線
きしめん(平打ち麺)のように、複数本(4本や8本)を横に並べてテープ状にまとめたタイプ。一気にたくさん繋げるので効率的です。
「この箱は24心用」と言われたら、「あ、24本のファイバを収容できるんだな」と変換しましょう。
光ファイバの「シングルモード」と「マルチモード」の違い
光ファイバを選定する際、必ず聞かれるのが「シングルモード(SM)ですか? マルチモード(MM)ですか?」という質問です。これは「光ファイバの中を通る光の進み方(モード)」の違いなんです。
間違えて接続すると通信できないため、この2つの違いはしっかり押さえておきましょう!
シングルモード(SM):【長距離のスペシャリスト】
• 仕組み: 光の通り道(コア)が非常に細く(約9μm)、光信号が一直線に進みます。
• 特徴: 光が分散せず真っ直ぐ進むため、信号が劣化しにくく、長距離伝送(数km~数十km以上)が得意です。
• 用途: 都市間の通信、電話局から建物への引き込み、広い工場内の配線など。
• 見分け方: 一般的にケーブルやコードの色は「黄色」です。

マルチモード(MM / GI):【近距離・LANの達人】
• 仕組み: 光の通り道(コア)がシングルモードより太く(50μmなど)、光が反射しながら複数のルート(モード)を通って進みます。
• 特徴: 一度に多くの信号を送れますが、距離が長くなると信号がぼやけてしまうため、短・中距離(数百m程度)での通信に使われます。機器側のコストが安く済むのがメリットです。
• 用途: ビル内のLAN配線、データセンター内のサーバー間接続など。
• 見分け方: 一般的にケーブルやコードの色は「若草色(従来)」や「アクア(水色)※」です。※最近の高速通信用(OM3/OM4)はアクア色が主流です。

現場で迷ったら、コードの色を見てください。
• 黄色いコード を見たら → 「シングルモード(SM)。遠くまで行くやつだな」
• 水色(アクア)のコード を見たら → 「マルチモード(MM)。ビル内の配線だな」
【絶対のルール】
シングルモードとマルチモードは「混ぜるな危険」です! コアの太さが違うため、これらを直接つなぐと光がうまく伝わらず、通信エラーになります。光接続箱を手配する際、「中に入れるケーブルはSMか? MMか?」を必ず確認しましょう。
つなぎ方は「融着接続」か「コネクタ接続」か
光ファイバをつなぐ方法は、大きく分けて2つ。「溶かしてくっつける」か、「カチッと差し込む」かです。
融着(ゆうちゃく)接続

専用の機械でビリッと放電して、ガラス同士を溶かして一体化させます。
• 特長: ガッチリつながるので、通信のロスが少なくて高品質。でも、一度つなぐとやり直しができません。
• 保護: つないだ部分は裸になって弱いため、「熱スリーブ」という補強材で守ります。

コネクタ接続

プラグ(コネクタ)と差し込み口(アダプタ)を使ってつなぎます。
• 特長: カチッと手で抜き差しできます。
融着とコネクタ どっちを使えばいいの?
「ずっとつないでおく」なら融着、「後で変えるかも」ならコネクタです。
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特徴 |
融着接続 |
コネクタ接続 |
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イメージ |
ガチッと固定 |
カチッと着脱 |
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やり直し |
できない(切るしかない) |
何度でも抜き差しOK |
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道具 |
専用の融着機が必要 |
手でOK |
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主な出番 |
建物の外から来たメインのケーブルなど、一度つないだら滅多に触らない場所 |
スイッチやルーターなど、故障や交換で抜き差しする可能性がある場所 |
多くの光接続箱は、「外から来たケーブルを箱の中で『融着』して、箱の表側には『コネクタ』を出して機器とつなぐ」というハイブリッドな構造になっています。
コネクタの形にも種類がある!
コンセントの形が国によって違うように、光コネクタにも「形」があります。

光接続箱(スプライスボックス)の選定ポイント
カタログを開くと膨大な種類の箱が出てきて圧倒されるかもしれませんが、実は「場所」「数」「形」の3つが決まれば、自然と製品は絞り込まれます。
1.設置場所はどこですか?(形が決まる!)
まずは、その箱をどこに置くかを確認しましょう。これでシリーズ(大枠)が決まります。
19インチラックの中に収めたい
◦ →「ラックマウント型」(日東工業の場合RD97、98シリーズなど)
◦ サーバーラックの中に、レコーダーやHUBと一緒にスッキリ収納します。
壁に取り付けたい
◦ →「壁掛け型」(日東工業の場合SPJ、SPHシリーズなど)
◦ オフィスの壁や、EPS(電気パイプスペース)の壁面に設置します。
他の制御盤やキャビネットの中に入れたい
◦ →「ユニット型」(日東工業の場合SPM、SPUシリーズなど)
◦ 大きな盤の中の隙間に設置する、コンパクトなタイプです。
床にドンと置きたい(大規模)
◦ →「自立型」(日東工業の場合SPEシリーズなど)
◦ データセンターなどで、数百~数千本の光ファイバをまとめて管理する場合に使います。
2.光ファイバは何本つなぎますか?(心数)
次に、接続する光ファイバの本数(心数:しんすう)を確認します。 「4心」「24心」「48心」「100心」などがあります。
• ポイント: 将来増える可能性も考えて、少し余裕を持った心数を選ぶのがセオリーです。
注意:「4心テープ心線」を使うか「単心線」を使うかで、同じ箱でも収容できる最大数が変わることがあるので注意しましょう。
3.コネクタの形状はどれですか?
最後に、つなぐケーブルの先端の形状(コネクタ)を合わせます。
SCコネクタ(標準)
● 最も一般的。「カチッ」と押し込むプッシュプルタイプです。特に指定がなければこれが多いです。
LCコネクタ(小型)
●SCより小さいコネクタ。高密度にたくさんつなぎたい場合や、最近のネットワーク機器で増えています。
FCコネクタ(ねじ込み)
● 金属製のネジで回して固定するタイプ。昔からある設備や、官公庁などで使われます。
★日東工業のおすすめ商品:プレ配線仕様
皆さんにぜひ知ってほしいのが、日東工業の「プレ配線仕様」です。
通常、光接続箱の施工は中で細かい配線作業が必要で時間がかかります。 しかし、日東工業の「プレ配線仕様(SPM、SPU、SPJ、RDシリーズなど)」は、工場出荷時に箱の中の配線がすでに完了しています。 現場では、外から引いてきたケーブルをつなぐだけ。「作業が早くて助かる!」と現場の方に大変喜ばれる製品です。

まとめ:箱の中身は「整理整頓」
光接続箱の中を開けると、ケーブルがクルクルと巻かれて収納されています。 これは、ガラスのケーブルが折れないように「やさしく円を描いて(アールをとって)」収納しているからです。
「この箱のおかげで、僕たちのスマホやPCが世界とつながっているんだな」 そう思うと、地味な箱も、ちょっと頼もしく見えてきませんか?

日東工業では、ユニット型、壁掛け型、ラックマウント型、自立型など様々な種類の光接続箱を用意しています。ぜひ(https://www.nito.co.jp/guide/joutsuu/product/optical.html)をご覧ください。
お問い合わせ先
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※本コラムは日東工業の技術資料・ご注意事項を基に構成しています。
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※当社が AI サポートサービスを利用し生成した文章を含みます。
