データセンターやサーバルームで整然と並ぶ黒や白の鉄の箱。これらは一般的に「19インチラック」と呼ばれますが、一体どこが「19インチ」なのでしょうか?
実はこの数字、ラックそのものの外形寸法ではなく、「中に収める機器のパネル幅」を指しています。 19インチ(約482.6mm)という幅は、EIA規格(米国電子工業会)によって定められた世界的な標準サイズ。メーカーが異なるサーバや通信機器であっても、この規格に合わせて作られていれば、パズルのようにすっきりと一つのラックに収納できるのです。

1.世界標準の「EIA規格」
EIA規格は、米国電子工業会(EIA:Electronic Industries Alliance)によって定められた規格です。通信機器やサーバなどの多くがこの規格に合わせて作られており、「19インチラック」といえば一般的にこのEIA規格を指すことがほとんどです。

【EIA規格のポイント】
【EIA規格のポイント】
• 横幅(ワイド): 機器の取付幅は482.6mm(19インチ)と定められています。
• 高さの単位「U」: 高さを「U(ユニット)」という単位で表します。1U = 44.45mm(1.75インチ)です。
• 取付穴ピッチ: 「ユニバーサルピッチ」と呼ばれ、15.875mm - 15.875mm - 12.7mmの間隔に穴が並ぶ独特なパターンを繰り返します。
2.日本独自の「JIS規格」
一方、JIS規格は日本産業規格(JIS)に基づいたもので、主に日本国内の計測器や配電盤などで使用されてきた歴史があります。日東工業の製品は、JIS C 6010-2(1998年)附属書0に準拠しています。

【JIS規格のポイント】
• 横幅(ワイド): 機器の取付幅は480mmです。EIA(482.6mm)と非常に近い数値ですが、異なります。
• 高さの単位「H」: 高さを「H」という単位で表します。1H = 50mmです。EIAの1Uよりも少し高いのが特徴です。
• 取付穴ピッチ: 非常にシンプルで、50mm等の等間隔で穴が並んでいます。
3.サーバ固定の要!マウントアングル(マウントレール)の役割
ラックの扉を開けると、左右に垂直に走る柱があります。これが「マウントアングル(マウントレール)」です。 サーバやネットワーク機器をネジやレールキットを使って物理的に固定するための、まさにラックの「背骨」にあたる重要なパーツです。

このマウントアングルには、大きく分けて2種類の「穴の形」があります。
① サーバ向け:「ケージナット仕様(四角い穴)」
• 特長: 四角い穴が開いており、そこに「ケージナット」というナットをはめ込んで使います。
• 理由: サーバは重く、頻繁にメンテナンスで引き出すため、各メーカー専用の「レールキット」を使います。このレールキットが世界的に四角い穴(EIA規格)を前提としているためです。
• 主な製品: サーバラック(日東工業の場合FSS、AHシリーズなど)

② ネットワーク機器向け:「M5タップ仕様(丸いネジ穴)」
• 特長: 最初からネジ穴(M5サイズなど)が切ってあります。
• 理由: スイッチやルーターはサーバに比べて軽く、一度設置したら頻繁に動かしません。ナットをはめる手間なく、ドライバー1本で直接ネジ止めできるため、作業が非常に楽です。
• 主な製品: ネットワークラック(日東工業の場合FS、FSAシリーズなど)

4.用途によって「箱」も違う? 代表的なラックの種類
マウントアングルの違いだけでなく、収納する機器の特性に合わせてラック自体の構造も異なります。
①サーバラック(日東工業の場合FSS・AHシリーズなど)
重たいサーバを支えるため頑丈(耐荷重が大きい)です。また、サーバは大量の熱を出すため、ドアがメッシュ(穴あき)になっており、通気性を確保しています。

②ネットワークラック(日東工業の場合FSA・FSNAシリーズなど)
大量のLANケーブルをさばくため、幅が広めに作られています。余ったケーブルを収納するスペースや配線オプションが充実しているのが特長です。

5.まとめ
19インチラックが世界中のサーバルームやデータセンターで愛用されている最大の理由。
それは、EIA規格という「世界共通のサイズ(19インチ幅・U単位)」というルールがあるからです。 このルールのおかげで、メーカーが違うサーバや通信機器であっても、パズルのようにひとつの箱へピッタリときれいに収めることができるんです。
しかし、ただサイズが合うだけでは完璧ではありません。大事なのは、その箱の中で機器を支えている「マウントアングル(柱)」の選び方です。
• 「サーバを入れるなら、レールキットで固定可能なケージナット用(四角い穴)」
• 「ネットワーク機器をパッと止めたいなら、手軽なM5タップ(丸いネジ穴)」
このように、中に入れる主役(機器)に合わせて、最適な柱を選んであげることが大切です。
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