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梅雨だけじゃない!盤の結露、実は身近なトラブルだった?!対策のヒント教えます

作成者: 日東工業|2025年10月01日

盤内に発生する結露は、絶縁劣化や腐食を引き起こし、機器の故障や事故につながる可能性があります。

ここでは、結露トラブル事例の主な原因とその対策をご紹介します。

事例1:配線ピット上への設置によるトラブル

 

発生状況
配線ピット上に自立型制御盤を設置した際、ピット内部へ水が浸入し、盤内に結露が発生しました。
原因
水の浸入の可能性が低い屋内であっても、底面引込口から湿気が浸入する箇所があると、温度環境によっては結露が発生することがあります。
正しい施工
底面の入出線部に湿気が浸入しないようにコーキング処理を行うことが重要です。

 

事例2:屋外用制御盤内部への水の浸入によるトラブル

 

発生状況
屋外仕様の自立形キャビネットを設置する際、コンクリート基礎と基台(チャンネルベース)の間をコーキング処理したため、内部に水が溜まってしまいました。
結露発生の可能性
内部に水が溜まると、盤内に水滴が付くほどの結露が発生する可能性があります。
正しい施工
・コンクリート基礎には水抜き孔や溝を設ける。
・水抜き孔や溝を設けない場合は、コンクリート基礎と基台の間のコーキング処理を行わない。
・補足として、コンクリート基礎の上面は、前後左右に勾配を設けると良いでしょう。

事例3:屋外用制御盤の結露によるトラブル

 

発生状況
外気温度の急低下により、屋外に設置したキャビネットの内部に結露が発生し、内部機器のメッキ部品に錆が発生しました。
正しい施工
・換気口を設けるか、ファンなどで強制換気を行う。
・自然換気や強制換気ができない場合は、ヒータや除湿器を取り付ける。
・自立形制御盤の場合は、入出線部のコーキング処理を行い、底面引込口からの湿気の浸入を防ぐと良いです。
・万が一結露が発生した場合でも水が外部へ抜けるように、下面部に水抜き孔を設けることも効果的です。

補足:屋外キュービクル結露に関する施工における留意点

屋外に設置されるキュービクルは、気象条件や環境による湿気や雨水の浸入、温湿度変化による結露が原因で絶縁物が絶縁低下し、事故を起こす可能性があります。

発生状況留意点1:基礎形状

発生原因: キュービクル下部に広い空洞がある場所や、ゲタ基礎・架台による設置の場合、雨水などによる湿気がこもりやすく、底板通風口からキュービクル内に流入しやすくなります。

正しい施工: 基礎はベタ基礎、またはベース底面を塞ぐように施工し、キュービクルベース前後の通風口から換気できるようにすると、底板通風口からの湿気流入防止に効果的です。ベタ基礎の場合は、基礎に排水口などを設け、雨水が滞留しないように配慮が必要です。

(補足)
ゲタ基礎・架台による設置の場合は、強風時にひさし・換気扇排気口より外気が入り易く、降雨時など外気が高湿度な時は盤内に多量の湿気を流入させる恐れがあります。

JEMA、JSIA.『屋外用キュービクル式高圧受電設備を安全にお使いいただくために』.2020,p7より引用



結露発生の可能性と対策留意点2:設置場所

設置場所の風向きに留意し、高所(ビル屋上など)設置の場合は、ビル風などによる吹き上げ風にも配慮が必要です。また、ビル影になる場所は昼夜の温度変化が大きくなり、結露発生頻度が高くなる可能性があります。

 

参考文献

一般社団法人キャビネット工業会.
『技術資料CA-G09施工上の注意(トラブル・対応事例)』.2021,p20 ,p22 ,p24

JEMA、JSIA.
『屋外用キュービクル式高圧受電設備を安全にお使いいただくために』.2020,p6~7

※このコラムは当社が AI サポートサービスを利用し生成した文章・画像を含みます。

 

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