コラム|EV・PHEV用充電設備|日東工業株式会社

企業が蓄電池を導入するメリットと注意点

作成者: タービン・インタラクティブ|2024年5月13日

停電中に電源を確保する方法として、手軽に利用できるのが「蓄電池」です。

一般家庭の停電・省エネ対策として普及している「蓄電池」ですが、近年は企業でも導入するところが増えています。

企業が蓄電池を導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

導入の際の注意点とともにご紹介します。

蓄電池とは

蓄電池とは、くり返し充電をして使用できる電池のことを指します。二次電池とも呼ばれ、モバイルバッテリーのような小容量のものから、大容量のものまであります。

蓄電池の主なものには、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池などがありますが、安全性や耐久性に優れていることから、現在主流として使われているのはリチウムイオン電池です。

企業用(産業用)蓄電池とは

企業用(産業用)蓄電池は、家庭用蓄電池の数倍から数十倍以上の容量があり、大型商業施設やオフィスビル、医療機関などに設置されるものです。

家庭用蓄電池に比べると本体のサイズも大きく、値段も高価になります。

企業が蓄電池を導入するメリット 

1 非常用電源の確保

停電時でも電源を確保できるので、従業員の安全を守り、復旧活動を迅速に行えます。

また、事業の継続が可能なので、BCPBusiness Continuity Plan=事業継続計画)対策といった面からも有効です。

2 地域貢献

災害や電力不足で停電が発生した場合でも、非常用電源が確保されているので、地域の防災拠点として自社を活用できます。また、地域の医療機関や介護施設の利用者の支援にも役立つなど地域に貢献でき、企業のイメージアップにもつながります。

3 電力コストの削減

企業用蓄電池の大きなメリットは「ピークカット」「ピークシフト」により、電気代が節約できることです。

ピークカットとは、電気を多く使う時間帯に蓄電池で貯めた電力を使用することで、使用量のピークを抑える方法のことです。

ピークシフトとは、たとえば日中に電気使用量が多い企業の場合、電気使用量の少ない夜間や早朝に電気を貯めておき、使用量が多くなる日中に放電して使用することです。

4 企業ブランドの向上

企業用蓄電池は、太陽光発電から充電できるというメリットもあります。環境に配慮したクリーンエネルギーの活用は、SDGsへの取り組みをしている企業として評価がアップします。

 

企業が蓄電池を導入する際の注意点

設備コストがかかる

一般的に企業用の17kWh以上の蓄電池は、容量によりますが数百万円から数千万円かかると言われています。

初期費用やメンテナンス、部品交換のコストが高いことが注意点の一つです。

設置スペースの確保が必要

蓄電池本体は、容量に比例してサイズも大きくなりますから、設置にかなりのスペースが必要です。たとえば50kWh以上の蓄電池は幅も高さも2メートルを超えるものもあります。実際には、設置スペースだけでなく、メンテナンス作業をするスペースや搬入のための経路の確保も必要です。

放熱対策も必要

安全性の高いリチウムイオン蓄電池でも、熱のこもる環境では性能を維持できません。適切な温度管理が必要です。

充電回数に限りがある

蓄電池の仕組みは充放電を繰り返すことで稼働するのですが、無限に充放電できるわけではなく、蓄電できる容量は徐々に減り、寿命は10年から15年が目安とされています。

また、性能を保つためには、定期的な点検やメンテナンスが必要です。

 

EVも蓄電池の代わりになる

EVとはElectric Vehicleの略で、電気で動く乗り物の総称ですが、一般的には電気自動車のことを指します。

EVには蓄電池が搭載されており、電気を充電して貯めておき、放電して電動モーターで動きます。

最近では車としての用途だけでなく、蓄電池として利用できるものが増えています。EVのバッテリー容量は10kWhから40kWh程度のものがあり、停電時に一般的な家庭用の蓄電池よりも長時間電気を使用することができます。

高額な出資が必要な企業用蓄電池ですが、今後も値上がりが予想される電気代対策として有効です。導入を検討するなら、設置する地方自治体によっては補助金制度を利用できる場合もありますので、調べてみることをおすすめします。