コラム|EV・PHEV用充電設備|日東工業株式会社

エネルギーマネジメントシステム(EMS)の基本と必要性

作成者: タービン・インタラクティブ|2024年5月13日

電気代の高騰により、特に電力消費量が多い工場やビルなどは打撃を受け、電気代の削減、省エネへの取り組みが急務となりました。そこで、エネルギーマネジメントシステム(EMS)に注目する企業が増えています。

こちらのコラムでは「エネルギーマネジメントシステム(EMS)」についての基本的なことをお伝えします。

エネルギーマネジメントとは

住宅や工場、ビルなどの建物や地域におけるエネルギーの使用状況を把握し、それに応じて効率的にエネルギーを使用できるように、電力の需給バランスを最適に管理する活動のことです。

エネルギーマネジメントシステム(EMS)とは

エネルギーマネジメントシステム(Energy Management System)を略して「EMS」と呼ばれます。簡単に言えば、エネルギーマネジメントをサポートするシステム(設備)のことです。

EMSを用いることで使用状況を自動で収集し、エネルギーマネジメントを大いに助けてくれます。

EMSの基本的内容

下記の1~3の繰り返しがエネルギーマネジメントです。

1 可視化

普段使用している電気、ガス、水などのエネルギーの使用状況を、ネットワークを通じて各デバイスの画面でデータやグラフなどで可視化(見える化)します。

2 分析

可視化されたデータから「いつ」「どこで」「どのくらい」エネルギーが使われているのかを確認し、分析します。

3 最適化

エネルギーの使用状況の分析によって削減が可能な箇所、機器を見つけ、エネルギー使用の無駄を省き、効率のよい最適な運用に改善します。

そして、この1~3のサイクルを人力ではなく、機械で行うのがEMSです。

EMSの必要性

1 業務の効率化

これまで、エネルギーの測定や管理は、人が行っていました。しかし、労働人口の減少による人手不足の中、業務の効率化を図るためにも、エネルギー管理の機械化、自動化が必要となりました。

EMSには、エネルギー使用量を予測し、エネルギーの需要に合わせて供給設備の稼働を制御するなどのさまざまな機能を持つ商品があります。このシステムの導入により、エネルギーの大きな削減、生産性の向上が期待できます。

2 エネルギーコストの削減

可視化されたエネルギーの使用状況から、どこの電力を低減、削減できるかを把握できるので、例えば、エアコンの稼働時間をずらす、照明をセンサー式に変える、複数ある大型の機械を一斉に稼働させることを避けて稼働時間を調整する、といった改善策を講じられます。

さらに、EMSでは、エネルギー効率の悪い機器を特定しやすいというメリットもあるので、機器の買い替えや代替機器への交換などの対策も立てることができ、速やかなマネジメントを行えます。

3 社員の意識向上

EMSは、結果が可視化されるため、エネルギー削減の計画・実行・評価がしやすいことがメリットです。

エネルギー使用状況や削減率などがデータやグラフでわかりやすくまとめられているため、ファイル化も可能で社員間での共有もしやすく、企業全体の省エネ意識の向上にもなります。

4 業務提携

EMSのデータ分析や的確な運用には、電力やエネルギー関連法規、ICTなど幅広い専門的な知識とスキルが必要になります。EMSサービスを提供する企業と業務提携することで可能になり、自社内の専門家も育ちやすくなります。

 

エネルギーコストとCO2排出量の削減につながるEMSの市場は、今後も大きくなることが予想されます。各企業にも持続可能な開発目標(SDGs)や環境問題への取り組みが求められています。未対策の企業もそろそろ導入を検討する時期ではないでしょうか。